いろいろあったとは、本当に尽きない芸の神様のお戯れ 最終的に作業していた部屋からこの檜の板は出ることを拒み、額縁を切ることになりました。 思い出していただきたいのは、最初に下図の段階で富澤先生は、額縁の幅が広すぎることを気にしていらして、 老松は舞台からすぐの位置から生えている様にしたいという思いから、広すぎる額縁に根っこがかかってもよいかどうか、相談しておられました。 結局、そのままになりましたが,これを機に額縁を切る事を希望されて、3センチメートル程ですが狭くされました。額縁の幅は当初9センチメートルありこみを入れると10センチメートルくらいの幅に見えて、老松を小さく見せるのではないかと、気にされていらっしゃいました。 きっと、先生の思いが松にのりうつって、制作の部屋から出たくないと、ダダをこねたように思えてなりません。
確かに額縁のない老松は畳の広間にあって、自然の姿で馴染んでいた様に思います。
不思議です・・・・・
そして、この松は昼間の自然の光の中では金泥の流れる幹が浮き上がり、一本一本引かれた松葉が沈んで、こんもりと茂っているように見えるのです。 華やかな装飾的な藍の色までが、奥行きを感じさせるための大昔からの技術であることを改めて教えてくれます。
すでにこの老松はこの場所で出会いを待ちながら生きはじめています。
*自然光の老松 |